5月3日憲法記念日に、九条の会福岡県連絡会主催のイベントが早良市民センターホールにて開催されました。
司会の案内の後、沖縄出身の参議院議員の高良鉄美さんの「沖縄からみた平和憲法」と題した講演がありました。1949年4月28日サンフランシスコ条約により、沖縄は米国の信託統治となり、1972年5月15日、日本に「返還」された後から現在までの、苦難の歴史が紹介されました。沖縄は、かつては「琉球王国」という独立した国でした。日本へ併合されたのち、壮絶な沖縄戦、米国による広島、長崎への原爆投下による敗戦で、米国の信託統治となった沖縄の人々は、新しい「日本国憲法」に大きな期待をもって日本に復帰しました。
しかし沖縄は、朝鮮戦争、ベトナム戦争と米国が介入した東アジアの戦争の前線基地として利用されました。核爆弾が搭載できるB52戦略爆撃の発進基地です。そのB52が爆発事故を起こしたこともありました。幸い核爆弾を積んでいませんでしたが、恐怖の歴史で、そのリスクは、基地がある現在も続いています。
問題として、日米地位という植民地同様の条約が未だに改定されないこと。そして沖縄の人々の意に反して、辺野古への基地の新設が行われる等、日本国憲法に反する偽りの立憲主義が行われていることが挙げられます。
更にウクライナ戦争を口実に、日本の軍備拡大が沖縄の負担増を招くばかりか、米国の軍事戦略と一体化した日本政府の戦略は、まさに沖縄が対中国との有事の際はウクライナと同じ立ち位置におかれることが、指摘されました。
国会がロシアによるウクライナ侵略に反対決議をした際に、高良議員は、沖縄がウクライナと同じ立ち位置に追いやられる内容に反対し、ただ一人議場を退席しました。その際、「売国奴」「非国民」と罵倒され、足が震えた、とのことです。このことは、与野党とも日本の政府、政党が沖縄を差別している証明だと思います。沖縄南部に埋る戦没者の遺骨を含む土を辺野古基地に使用することなど決して許されことでは、ありません。
高良議員が提起した「沖縄からみた平和憲法」の視点は、今日本が抱える政治的問題を深く指摘したものだと思いました。
ふくおか緑の党運営委員 中舘文洋
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