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敗戦後70年にあたって~戦後70年 安倍晋三首相談話について~

  • ふくおか緑の党 運営委員会
  • 2015年8月17日
  • 読了時間: 4分

敗戦後70年にあたって

戦後70年 安倍晋三首相談話について

2015年8月15日

ふくおか緑の党運営委員会

(1) 8千万人以上と推定される死亡者を出した第二次世界大戦終結から今年は70年目に当たります。世界大戦後からこの70年の間にも、世界では戦火の止むことのない日々が続いています。朝鮮戦争、米ソ冷戦、ベトナム、中南米、中東、東欧などで無数の人たちの命が奪われ、自然環境も破壊されてきました。そして今も、地球上で命と環境の破壊が続いているのが現状です。私たち、こうした現実を直視しなければならないと思います。

 いま、私たち日本の政治は、歴史的岐路に立っています。いうまでもなく、安倍政権による「明文改憲」に向けて戦争法制をステップにした「戦争を始める国」への暴走です。私たちは、戦争の惨禍と反省を踏まえた日本国憲法の成果を守り、活かしていくなかで、新自由主義と国家主義に彩られた日本政治を変革し、ここ福岡そして日本・東アジア・世界の平和のために力をあわせていくことを呼びかけます。

(2) こうしたなかで14日夕方に発表された「安倍晋三首相談話」(以下、安倍談話)は、注目を集めていた「侵略」「植民地支配」「反省」「お詫び」などの言葉はちりばめられてはいるものの、95年の「村山談話」に示されている、日本が「国策を誤り」、「植民地支配と侵略」を行ったという歴史認識はまったく語られていません。「安倍談話」で述べた「反省」と「お詫び」も過去の歴代政権が表明したという事実を引用したもので、安倍首相自らの言葉としては表明されてはいないのです。そして驚くべきことに、「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。」という表現は、日本の過去の侵略戦争―明治維新以降の近代化と軍事的な進出―をすべて反省しているのではなく、日露戦争まではよかった、ということの裏返しの表現です。まさに、日本はアジア・アフリカの民族自決に貢献した、という歴史修正主義者の本音を思わず漏らしたもの言えるでしょう。「安倍談話」は全体として、「村山談話」が明確にした侵略戦争と植民地支配への反省とおわびという立場から大きく後退したものであるといわざるを得ません。その理由は、安倍政権が「復古主義者」によって支えられているからにほかなりません。「安倍談話」に対し「…総理の主張が後退するかと思っていたが、杞憂に終わった。…工夫されている」との評や、「高く評価したい。村山談話は歴代内閣の一談話となって安倍談話に回収された」との談話が著名な保守憲法学者や論客から出されたことに「安倍談話」の本質があると思います。

(3) 「安倍談話」はこれまでの「歴史認識」論争に幕引きを図ることも同時に表明しました。「…子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。…」と「未来」志向を明らかにしています。「安倍談話」は次のように述べています。

 「いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄を牽引してまいります」「我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、『積極的平和主義』の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。」と。

 これらの表現は、戦後日本の収奪的な成長システムを限りなく肯定し、今後、米国との軍事的に協力をして世界に跳躍することの宣言にほかなりません。いうまでもなく「積極的平和主義とは、消極的平和主義の逆である。消極的平和主義とは、日本が非武装であればあるほど、世界は平和になるという考えである」(北岡伸一氏)というように「武装していけばいくほど世界は平和になる」との別の言葉です。特定秘密保護法や解釈憲法による集団的自衛権の行使容認、武器輸出三原則の改悪としてこれまで進められてきたことで明らかです。

 いま日本では「自由」「民主」「基本的人権」などの普遍的な価値が次々と壊されてきています。安倍首相がいうことで全くの逆の事態が進行しているのです。

 私たちは、本当に安倍政権が未来志向で、平和で安定的な世界を構築していくためには安倍首相自らが行動で示さねばなりません。

 「仮想敵国」として中国や朝鮮民主主義人民共和国を見立て、成立に奔走している戦争法―安保法制を速やかに撤回することから始めなければなりません。これこそがとりわけ、東アジアに平和をつくっていくための第一歩です。そして朝鮮半島の平和のために具体的で効果的な政策を実行しなければなりません。

(4) 私たちは、脱原発運動を契機に生まれた多様な行動形態、自立した個人の多彩な運動表現と結び合い、そして特定秘密保護法反対や集団的自衛権行使容認へのカウンター、アンチ・レイシズム、沖縄辺野古新基地への非暴力抵抗運動が生み出しているあらたな動きと連携、協力して運動を拡げていきます。そして国家主義や新自由主義、復古主義的な日本の政治と対抗、決別し、新たな政治的・社会的な勢力をつくっていくために力を注いでいくことを敗戦後70年の8月15日を迎えるにあたり、決意を新たにしていきます。


 
 
 

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