自衛隊名簿提供問題、住民訴訟はじまる!
- 広報部
- 2021年11月3日
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昨年度から福岡市が自衛官募集の協力のため、18歳と22歳の市民の名簿(住所・氏名)を、本人の同意もなく勝手に提供している問題について、10月27日に住民訴訟の第1回公判が福岡地裁で行われました。訴訟の前に住民監査請求を行っていましたが、その結果が棄却であったため、9月1日に提訴していました。
公判では原告の脇義重さんと荒木代表が意見陳述を行いました。一方、被告の福岡市は裁判の一週間前に答弁書を提出していましたが、まったく内容がないものでした。市側の弁護団は「訴状は多岐にわたっていて、認否の検討が間に合っていない」「1か月半ほど時間がほしい」と裁判長に訴え、12月中旬までには提出されることになりました。提訴からすでに2か月近く経っているにもかかわらず、まだ本格的な答弁ができる状態になっていないわけです。
福岡市は名簿提供の根拠として、昨年2月7日に開かれた個人情報保護審議会の答申で「公益上の必要性が認められた」と繰り返し答弁してきましたが、その審議会はたったの1 回きり、それも1時間半程度の審議であり、しかも審議の会議録を素直に読めば「名簿提供は認められない」という結論になって然るべき内容でした。それにもかかわらず「名簿提供を認める」という結論に歪められたのでした。関連法令を素直に読めば、名簿提供する根拠はどこにもないからです。
ましてや、福岡市が名簿提供する理由は、入隊案内の資料を「ポスティング」するためとなっています。国(自衛隊)と福岡市は独立した行政府です。自衛隊以外の公務員の募集のために、しかもポスティングのために、名簿提供している事例はありません。自衛隊だけ特別扱いにしているのです。憲法13条にもとづくプライバシー権を考えたら、本人の同意もなく勝手に個人情報を渡すことに、公益性があるとは言えません。
福岡市側の反論が出てくる、次回以降の公判に注目です。
次回は1月12日(水)14時から福岡地方裁判所101号法廷で公判が行われます。次回からは大法廷に変更になります。第1回以上のたくさんの傍聴が必要です。裁判を支援していきましょう!
【脚注】
裁判の訴状や証拠、意見陳述原稿は、
で確認することができます。
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