【報告】原発ゼロ!3.11福岡集会
- 広報部
- 2022年3月17日
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2022年3月11日(金)、福岡市中央区天神の警固公園において、【東日本大震災3.11=福島第一原発事故を風化させてはならない!】という主旨関連のイベントが開催された。数日前に新型コロナまん延防止措置の解除もあり、無事に集会からデモ、九州電力本店への要請申し入れ行動まで行うことができた。
『原発ゼロ!3.11福岡集会』は、原発事故から10年目となる昨年2021年から始まり、今年で2回目。主催者発表では、参加者約170名(NHKをはじめマスコミでは約100名)であった。今年の特別アピールは、「原発なくす蔵(ぞう)」から片山純子さん、「ママは原発いりません!福岡」から刀禰詩織さん、「Fridays For Future Fukuoka(FFFF)」からは高校生が気候変動の観点から訴えた。

刀禰さんは登壇スピーチの中で、福島第一原発の爆発の報せをききすぐに当時3歳の娘を保育園に迎えに行き、東京駅で新幹線に飛び乗ったこと、新大阪を過ぎる辺りで少し落ち着いて来たこと、博多駅を降りるとそこには全く何も無かったかのような平常の風景があったことなど、当時の避難について語ってくれた。その中でも、娘と兄弟のように育った保育園の子どもたちを残していかなければならなかったことを語る際には言葉に詰まる場面もあり、集会参加者からも多く共感の涙と声が漏れた。
TVからしか知ることができず、3.11原発事故のことも避難のこともあまり知らない九州福岡市の人間が11年経った今、原発に対して無関心になっているのは、TVなどマスメディア報道が当初から真実を隠ぺいしたこと、安全神話に歪んでいたことが原因であろう。国内情報だけでなく、海外インターネット情報を掴まないと知ることができない情報が多くあり、知っていたならば今のような無関心によって避難者を追い詰めるような家賃の問題や原発再稼働も起きなかったかもしれない。
(警固公園には、追悼コーナーや被災地の写真などの展示も)

11時半からの集会は、集会宣言【私たちは、全ての原発の稼働停止と廃炉を求める】など7項目が採択され、無事終了した。続いて、天神地域(警固公園周回)一周のデモの約40分の間、街宣車を筆頭に、「脱原発、脱炭素の新しい社会を作ろう!」の力強いデモコールと主旨説明のスピーチが街に響き渡った。
金曜日の街行く人たちに脱原発、なぜ原発は要らないのかetcのチラシを配布も出来た。しかし、街頭からは「あなたたちは、時代錯誤している、原発は絶対要るのだ」とか、中学生か高校生のような若者から「だって、電気が足りなくなれば困るやろう」などという声も掛けられた。11年が経過した今、福岡県の人間には、福島原発事故は完全に終わった過去の一コマになってしまっているようだ。当時幼児だった子どもたちに、学校や家庭はどう伝えてきたのだろう。デモ隊が警固公園に戻って、ほどなく解散となった。
その後、14時からは、九州電力本店への要請申し入れ行動を有志で行った。コロナ過を理由に会議室入場を20名に限定され、いつも通りの九電ルールの制約も受けての申し入れだった。九電社長兼電気事業連合会会長である池辺和弘氏宛ての「原発ゼロ‼を求める申し入れ文」「3.11集会宣言文」「ウクライナ戦争に関する緊急決議要請文」の3件を遠山茂樹氏(立地コミニケーション本部・コミニケーション推進G・グループ長)へ手渡し、社長へ必ず上げるようにと求めた。
30分という限られた時間では質疑など十分に出来ず、数名の代表者からの気持ちを伝えるに留まった。しかし、ただ1点のみ「今回のウクライナ戦争でロシアが原発を攻撃占拠したとする報道、この危険性に対して九電はどう考えているのか?」と問うて回答を求めると、遠山グループ長は「戦時下の事態は、国防で国や防衛省、自衛隊が考えることです。当社としては、原子力規制委員会の指示や審査に従って、原発建屋や施設に飛行機などが追突しても大丈夫なように、所謂テロ対策を十分に施すのみです」と答えた。住民に対する配慮や危惧するなどの言葉は全く出てこなかった。いつもながら、国と自治体と事業者の三者が互いに使う「責任のたらいまわし」の姿勢がこの質疑応答にも現れた一幕であった。要請を終えた20名は、ビルの外で街頭アピールをして待っていた約20名と合流し、会談報告をして、最後に九電前「脱原発コール19声」を上げて解散した。
2022年3月11日、集会に参加してくれた皆さんの「決して原発事故は終わっていない、風化させてはならない」という意思表明が明確にできたことから、新しい社会作りの希望に繋がって欲しいと思う。
ふくおか緑の党 運営委員 荒川謙一
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