COP25閉幕-日本は「石炭中毒」から抜け出すための行動を!
- 広報部
- 2019年12月17日
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スペイン・マドリードで開催されていたCOP25(国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議)は、予定していた会期を延長したものの、排出権ルール/市場メカニズムの決定は来年のCOP26グラスゴー会議に持ち越され、15日に閉幕しました。パリ協定は「(産業革命前からの気温上昇を)2度未満、できれば1.5度に抑える」をめざしていますが、現在の各国の排出削減目標のままでは「3.2度上昇」(国連環境計画)と言われており、各国は2020年中に排出削減目標の引き上げ(野心の引き上げ)が求められています。
中でも日本の取り組みは重要ですが、今回の会議期間中、日本は不名誉な「化石賞」を2度も受賞してしまいました。1つめは梶山経済産業大臣の「石炭火力を選択肢として残したい」という発言に対して、2つめは削減目標の引き上げについても脱石炭についても何ら意思表示をしなかった小泉環境大臣のスピーチに対してです。日本が今年夏にまとめた長期戦略の「2050年80%削減」という目標は「低すぎる」というのが国際的な評価となっています。そして脱炭素化の一丁目一番地は脱石炭であるにもかかわらず、石炭火力発電所の新増設計画や輸出計画を見直さず、石炭産業への投融資額は日本の大手金融機関がトップ3を独占するなど、日本は海外政府やNGO関係者から批判の矛先となっています。
会議場の外では、グレタさんが始めた「Fridays For Future(未来のための金曜日)」に参加する若者たちがマドリード市内で声を上げました。6日に行なわれたデモには約50万人のマドリード市民が参加したと言われています。日本でもCOP25が始まる直前の11月29日を中心に「グローバル気候マーチ」が呼びかけられ、25都道府県で28の企画、合計2000人余が参加しました。福岡市内でも110名が参加し、天神を一周。高校生も10数人参加するなど、前回9月以上に若者の姿が目立ったマーチが行なわれました。
この国際的な市民の声を背景にして、COP25の期間中、オランダでは脱石炭法を成立させ、2029年以降石炭火力を禁止に。デンマークでは新しい気候法を成立させ、「2030年までに70%削減」という目標を掲げるなど、脱炭素化に向けた「野心の引き上げ」を表明する国が増えてきています。自治体においても1200余の自治体が「気候非常事態宣言」を宣言、日本でも長崎県壱岐市、鎌倉市、長野県、長野県白馬村、福岡県大木町が宣言しており、少しずつ増えてきています。
私たちに残された時間は多くありません。「石炭中毒」(グテーレス国連事務総長)から抜け出すための行動が日本には求められています。私たちは、一刻も早い「CO2排出実質ゼロ」の実現に向けて、福岡市や福岡県などの自治体に気候非常事態を宣言するよう求めていくとともに、国や企業、金融機関に対して声を上げていきましょう!



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