福岡市議会6月定例議会が24日(月)に閉会しました。6月議会の主な議案は宿泊税条例でした。
宿泊税の目的は中央埠頭舞踏の再開発の事業費を作ることにあり、市民生活については念頭にありません。ビジネスマンや観光客は福岡市にとっては「お札」なのです。福岡県や他都市との協調よりも、傲慢で強欲に宿泊税を独り占めするために急いで条例を作ったのです。
地方税法では目的税を設けるときは、合理的な行政需要が無ければいけないとされています。しかし、福岡市の宿泊税を必要とする需要については明確とは言えません。日本の人口は既に減少し始めており、超高齢社会に突入しています。福岡市も15年後には人口減少に転じると見込まれています。クルーズ船の寄港数も減少し始めており、国際会議開催数および参加者数も減少傾向が出ている中、福岡だけが今後も集客数が増えていくという根拠はどこにあるのでしょうか。中央埠頭地区の過大な再開発計画をもとに将来はディズニーランドの2倍もの集客をするという非現実的な需要予測が作られており、まさにマッチポンプ式の観光政策と言えます。市民生活の犠牲の上に観光政策を進めていることは明らかです。
特に民泊事業は県内の9割程度が福岡市に集中しており、民泊申請業務は市の業務として主体的に行うべきにもかかわらず県に丸投げにしていることは、ご都合主義です。住宅宿泊事業法では静穏な市民生活を確保するために条例で立地規制や営業期間の規制できることになっています。保健所設置自治体である神戸市など他都市では、静穏な市民生活を確保するために申請受付業務を担うとともに条例を作り、住居専用地区や保育園、幼稚園、小中学校など教育関連施設周辺は立地規制や営業期間の規制をしています。この様な事例を見ても、福岡市の対応は市民生活をないがしろにしていると言えます。静穏な市民生活を確保し市民生活の質の向上を図る上でも、市が民泊事業の申請受付業務を県から引き取り、住居地区や教育関連施設周辺での立地規制や営業期間の規制をするとともに、宿泊税による財源は静穏な市民生活確保と生活の質の向上のために優先的に使うよう求めました。
また、福岡市が九州のリーダー都市を標榜するなら、財源を独り占めするのでは無く、県内の他都市との均衡ある発展を図るために県との連携を図り、財源についても公正な配分をすべきです。市の答弁を聞くと、仮に福岡県の条例に併せた宿泊税にしたとしても徴収額は10数億円が見込まれ、市独自に徴収する必要はありません。福岡市はゲートウェイ都市としての特殊性があるとして主張していますが、この傲慢で強欲な福岡市の政策は、リーダー都市と標榜するには情けないものです。この様な政策を見直し、県と税の配分すべきと主張しました。